Hokkai Kitchen（北海キッチン）

すし・焼き魚・一品料理

オオタワラ・クニヨシ氏は、想像もしていなかったシェフへの道をちょっと変わった道のりで歩んできました。
バレエダンサーのいとこが世界中を飛び回る活躍に刺激され、東京出身のオオタワラ氏の夢は海外向かいました。お金をあまり使わず、英語を勉強できる方法としてホテルサービス業界に入ることを目指しました。

オーストラリアのホテルオークラで1年間働いた後、最大のチャンスが訪れ、同ホテルの鉄板焼「さざんか」の料理人としてアムステルダムへ行くことになりました。
東京で修行を積み、2005年にアムステルダムに移動し、そこで奥様とも出会うことになりました。自分の能力を最大限引き伸ばすために　ホテルオークラアムステルダムの｢山里｣のキッチンであらゆる和食技術を経験し学びました。
そして自分自身に挑戦し続け、居心地の良い場所から飛び出して、オランダの方々に和食を広めさせるために北海水産の社長であるMarinus Noordenbos氏と会うことになりました。

そして2014年にIKmuidenにある北海水産のすぐ隣に北海キッチンをオープンしました。
お店の理念は和食を提供することで、特に焼き魚を中華・イタリアン・インドカリーのように毎日のメニューの一つにすることです。
オオタワラ氏は、カウンター越しにお客様に接することが大きな喜びです。
「お客様の約90％が地元のオランダ人で10％が日本人です。日本食に対する関心が高いので、私は和食の調理法について直接説明し、質問に答えることができます。」と彼は言います。

現在の北海キッチンでは、寿司、刺身、焼き魚を中心に温かい料理や軽食を味わっていただけます。
将来的には、うどんやそばもメニューに加える予定です。最近は、冷凍魚製品や他の和食の素材を販売する店をレストランに併設しました。

オオタワラ氏はここでしか食べられないものをお出ししたいと思っています。
「私は頭の中でグラフをイメージとして描き、すべてのバランスを考えます。例えば、酢飯と魚の塩味のうま味のバランスをとるために、やや甘いお刺身ソースを作りました。」
おすすめの寿司は、白身魚、青鱈、赤ボラ、ホウボウです。
「配達時に氷にぶつかって損傷する前に、セリで仲買人から仕入れているので新鮮な姿で魚が手に入ります。これが秘訣です。」

オオタワラ氏とNoordenbos氏は、新しいことに挑戦する熱心なコンビです。
2日間限定で、7つのコースのレストラン用セットを作り成功を収めました。開店初日は地元の人々に、日本の魚料理の調理方法を紹介しました。その頃は、宅配も期間限定イベントも北海キッチンでは今ほど忙しくはありませんでした。
陶芸家兼デザイナーであるNoordenbos氏の義理の姉、セツコさんが作ったアジのロゴが入ったお皿。彼らが作った米にもお煎餅にも、両方合うジュレタイプのソース。他にも挙げればきりがありません。

「北海キッチンは、私がやりたいことにぴったりのお店です。すべてが出来上がっているロンドンやパリのような大都市と比べて、オランダには大きなチャンスがまだまだあると考えています。これが私の生涯の仕事になると思っています。」
現在10歳と1歳の父親であるNoordenbos氏は、彼の子供たちが国際的に成長することを望んでいます。
「あなたがもし今オランダにいるなら、ここは可能性とチャンスで溢れています。しかし最も重要なことは、みんなが子供たちを見守っているということです。10代の少年でさえも何か悪いことなのか、危険なことをしていることを見たら親に注意するでしょう。これは東京では起こりません。皆ストレスで疲れて忙しいからです。ここでは人々はリラックスしていて、お互いを気にする余裕がある、それを私は本当に好きであり感謝していることです。」
彼の家族とのオランダ生活はまだ始まったばかりです。